クライマックス・シリーズ

今年のプロ野球はカープが負けたことにより現行のクライマックス・シリーズの制度に対する批判的な論調の意見が目につくようになりました。
私の意見は日本のプロ野球(以下NPB)でクライマックス・シリーズ(プレイ・オフ)は採用するべきではないというものです。

一番の理由はペナントレースの価値が下がるからです。

ただクライマックス・シリーズ反対派の意見の持ち主ではありますが、現在のクライマックス・シリーズには肯定的な意見を持っています。
理由は現在のクライマックス・シリーズが始まった経緯を知っているからです。
現在のクライマックス・シリーズが始まったのは2004年からパ・リーグが先行して現在と同じ形態でプレイ・オフを始めたのがきっかけです。

パリーグが勝手に始めたというのが現実ですが、これにはキチンとした目的がありました。
1番の理由は消化試合を減らすことが目的です。
2番目の目的はプレイ・オフによる興業収入です。

これが結果として成功しました。

さらにプレイ・オフは意外な部分で、その効果が注目されました。

日本シリーズでの試合勘です。
セ・リーグのチームは優勝決定後、日本シリーズまで約1ヶ月間も間があくことがありましたがパ・リーグはプレイ・オフ終了後、1週間程度で日本シリーズです。
明らかに試合勘が鈍っているセ・リーグが日本シリーズで苦戦するようになりました。
事実、パ・リーグが先行してプレイオフを行なっていた2004年から2006年まで日本シリーズではパ・リーグのチームが勝っています。

2004年 西武ライオンズ

 

2005年 千葉ロッテマリーンズ

2006年 北海道日本ハムファイターズ

 

日本シリーズが明らかにパリーグ優位になり、さらに興業面でも大きな収入を得るようになった関係でセ・リーグでもプレイオフを導入しようと言うことになり現在のクライマックス・シリーズは始まったのです。

ただ、クライマックス・シリーズを始めるに当たり問題となったのがリーグ優勝の解釈です。

パ・リーグが先行してプレイオフを採用していたときはプレイオフを征したチームがリーグ優勝でした。
当たり前ですがプレイオフを採用する以上これが当然の解釈です。

事実プレイオフ先進国アメリカではMLB(野球)、NFL(アメリカンフットボール)、NBA(バスケットボール)、NHL(アイスホッケー)すべてがプレイ・オフを勝ち抜いたチームが優勝です。

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ところがNPBでクライマックス・シリーズをセ・パ両リーグで採用するに当たり

当時、読売の球団代表であった清武英利氏がシーズン1位のチームをリーグ優勝としクライマックス・シリーズの優勝チームが日本シリーズに出場できるという訳の分からない解釈を主張しました。

当然ですが読売を除く11チームはこの主張に大反対しています。

プレイ・オフを導入する以上当然のことです。

これはサイトにも書いていることですが当時読売の球団代表であった清武英利氏が1回でも多く渡邉恒雄氏に報告したくて無理やり、この解釈を導入したと言うのが事の真相であると考えています。

プロ野球(NPB)改革!

毎年思うのですがリーグ優勝を決めてビールかけをしている光景を見て

こいつらバカか?

リーグ優勝といっても日本シリーズの進出が決まった訳ではありません。

言ってみれば実態の伴わない「名ばかり優勝」と言うのが現実です。

プレイ・オフの第1シードの権利を得たというのが正確な状況です。

 

リーグ優勝とクライマックス・シリーズ優勝

どちらが権威が高いかは考えるまでもありません。

元々、読売が強引にリーグ優勝の解釈をねじ曲げたのですからプレイ・オフであるクライマックス・シリーズを開催する以上、本来の正当な解釈に変更するのが正常だと考えます。

この様なこともできない為NPBはいつまで経ってもビジネスとして成長できないというのが私の意見です。

続いて話題になっていることが横浜DeNAが首位のカープから14.5ゲーム差もあったにも関わらず日本シリーズの進出を決めたことです。
ハッキリ言えばクライマックス・シリーズを開催することはシーズン前から分かっていたことです。

リーグ優勝(シーズン1位)が絶望になった時点でクライマックス・シリーズ優勝を目的に切り換えたベイスターズのチーム戦略が優れていただけです。
最初からクライマックス・シリーズが行なわれることはシーズン前から分かっていたことなので14.5ゲーム差離していようが、20ゲーム離していようがクライマックス・シリーズを勝ち抜かなければ日本シリーズへの出場はできないことは分かっていたことです。
シーズン前から決めていたルールで横浜DeNAが日本シリーズ進出を決めただけですので後になってルールがおかしいということ事態おかしいのです。

それと今年横浜DeNAがクライマックス・シリーズを征したことで、クライマックス・シリーズを改革しなければならないといった意見も出ていますが

私の意見はクライマックス・シリーズに関しては続けるか廃止するかのどちらかです。

上位チームにアドバンテージをと言う声も出ていましたが、そもそもクライマックス・シリーズは上位チームの本拠地で全試合行なわれるのです。
つまり上位チームには既にアドバンテージが与えられているのです。
ファイナル・ステージに関しては、これに加えて1勝のアドバンテージまであります。

セ・リーグのクライマックス・シリーズに話を戻します。
今年、広島カープがリーグ優勝(シーズン1位)を決めたのが9月18日です。
そしてクライマックス・シリーズファイナルが始まったのが10月18日です。

つまり広島は1ヶ月実戦から離れていたということです。

さらに言えば広島はクライマックス・シリーズ前に来シーズンのコーチ人事の発表をしています。

これがアメリカならばビジネスライクに割り切っているのでしょうが日本では事情が違います。
これは広島の選手に動揺を与えたことは間違いがないと考えています。

この様な状況に加え横浜DeNAはシーズン終盤まで読売と3位争いを続けていました。
さらに甲子園で対阪神戦を戦って中1日でクライマックス・シリーズファイナルです。

広島は社会人チームとの練習試合を3試合程行なったとマスコミの報道で知りました。
ただ練習試合はあくまで練習試合であって試合勘を取り戻すことは困難なのが現実です。

申し訳ありませんが広島が優勝(シーズン1位)を決めてからクライマックス・シリーズファイナルまで1ヶ月間が空くことは分かっていました。
試合勘が万全の横浜DeNAと戦った場合どうなるのかは最初から分かっていたことです。

これに関してはクライマックス・シリーズの準備を怠っていた広島が悪いだけです。

何回も書いていますがクライマックス・シリーズはシーズンが始まる前から実施されることは分かっていました。
さらにクライマックス・シリーズを勝ち抜いたチームが日本シリーズに進出することも分かっていたことです。
これをゲーム差がついているから現行のクライマックス・シリーズはおかしいというのは通りません。

試合結果に納得がいかないからといってルールがおかしいと言い出したらきりがありません。

とりあえず今後もクライマックス・シリーズを続けるようなのでペナントレースだけではなくクライマックス・シリーズを見越しての戦い方をする必要があると言うのが私の意見です。