産経ニュース for mobile

【リーダーの素顔】イチローを支えたトレーニング法を考案 「初動負荷理論」で世界の注目を集めるワールドウィングエンタープライズ代表の小山裕史さん

記事詳細

イチローを支えたトレーニング法を考案 「初動負荷理論」で世界の注目を集めるワールドウィングエンタープライズ代表の小山裕史さん

リーダーの素顔更新
今後の夢を熱く語るワールドウィングエンタープライズの小山裕史代表  1/2枚

 大リーグ通算3000安打を達成したイチロー選手をはじめ多くのトップアスリートを、「初動負荷理論」に基づいたトレーニングで支えてきた。トレーニング機器やシューズも開発し、アスリートだけでなく障害者や高齢者、子供と幅広い人たちの動作を改善。その高い成果に世界が注目する。2020年東京五輪に備える選手たちにとっても心強い存在だ。

 --初動負荷理論とは

 「身体は重力や自重などで常に緊張にさらされ、特に動作初期にかかる負荷による筋肉の緊張が厄介です。動作の固さ、故障の要因となる。動作初期にかかる負荷を転用して筋肉を緩め、伸び縮みさせれば、筋肉の柔軟性が増し、神経と筋肉、脳の機能が向上するという発見に基づくものです」

 --トレーニング方法は

 「一般的トレーニングでは、負荷により動作の最初から最後まで筋肉は緊張する傾向があり、筋肉の適切な伸縮を阻害します。これを防ぐため、動作初期に与えた負荷をゼロ化して筋肉を緩めたときに、再び負荷を与えるように開発したマシンを使い、筋肉の緩み、緊張のない伸縮を反復します」

 --理論の発想は

 「動作やフォーム作り、故障や機能障害改善の研究に没頭する中、動作能力の向上と、機能障害の改善は同一とひらめいたことです。筋肉の活動は、神経と脳に作用される。まひから動作改善できないのは、筋肉の緊張が持続しているためです。その原因は、動作初期にかかる負荷による筋肉の緊張で、これが妨げとなり、脳の指令を遮断させていると気付きました。そこで動作初期の緊張を緩めて動作できれば改善するという発想を得ます。ただ、重力下では動作初期の負荷により筋肉を緩めるのは不可能とされていました」

 --理論に基づいた「ビモロシューズ」も展開しました

 「平成23年に完成させました。靴底に施された縦3本のバーにより、薬指ラインから着地でき、この瞬間筋肉が緩み、緊張なく前に進めます。親指で着地すると緊張が生じブレーキとなります。今では年間3万6000足を販売し、工場もフル生産です。昨年からこのスパイク版を使用するイチロー選手は、一塁までの走塁タイムが0.4秒速くなりました。国内外の選手から引き合いが増え、欧州のサッカー強豪チームからも引き合いがあります」

 --海外への事業展開も広がっています

 「韓国や台湾、米国の医療施設や球団などが弊社のマシンを導入しています。ただし販売ではなく、使い方を指導した上で貸し出すリース方式にしています。販売すれば大きな売り上げになりますが、転売などされ、使い方を誤れば、理論の信頼性を失いかねない。企業の大小を量る尺度は、『社会貢献度』と『有益性』であると考えています」

編集部ピックアップ

iRONNA

産経フォト

ダビンチよりゴッホが好き! 吉岡里帆、上野で「デトロイト美術館展」鑑賞

産経ニュース
先頭へ