1994年に出版された本です。
この本で初動負荷理論は発表されました。
この本の特徴として初動負荷理論のみを発表しているわけではありません。
初動負荷理論よりも先に終動負荷理論というものを発表、定義しています。

9項33行
第2章 トレーニングに関する疑問
避けたい終動負荷トレーニング(可変抵抗マシーン、空気圧マシーン、油圧マシーン、水圧マシーン、ゴム弾性利用マシーン、チューブ等のように、反復後半に負荷が強くかかるトレーニング、終盤動作が加速されないトレーニング)

このように書かれています。
その後、 終動負荷トレーニングをすると筋肉が硬くなる趣旨の内容が続きます。

13項4行
写真D-⑥(チューブ・スクワット)では、立ち上がりの初動作に、本来最も負荷を得ねばならないのですが、逆に終動作に強く負荷を得ることになります。

このように書かれています。

13項16行
終動作では、特に末端部が力を込め続けるのではなく、力を抜けることが本来の身体機能であり、強さであることを理解しなければなりません。肩、肘、手首、膝、足首、足甲部等、怪我の発生多発性誘発因子が存在します。

17項の写真です。

 

これはチューブを利用してアップライトロウイングをする前と(写真上)、した後(写真下)の比較写真です。
チューブを利用したトレーニングなので終動負荷トレーニングになります。
終動負荷トレーニングを行うとこのように関節可動域が狭くなるという説明です。
しかし、チューブを利用してアップライトロウイングを実施しても、このような状態にはなりません。
実際に実施して確認してみてください。
完全なやらせです。

19項5行
先述の通り、チューブ等に代表される終動負荷トレーニングは各関節可動域を制限し、これを継続すると慢性疲労等による硬化を誘発します。
中略
根幹部の主働筋が動作の最初(初動作)で稼働しにくい、つまり初動作で筋肉が強くストレッチされないまま収縮活動を続ける。

ここでも初動作が肯定的に使われています。

22項16行
どうして事実と反して、このような誤解や錯覚が生まれるのでしょう。それは、例えばチューブ・トレーニング、空気圧、油圧式等、軽負荷反復を繰り返していると、肩や肘が暖まった状態になり、一時的に動きやすいような感覚を得たり、ウォーム・アップができたように錯覚することにあります。硬化の著しい例では、特にこの感覚(錯覚)が強くみられます。

この記述を証明する内容は一切書かれていません。。

23項20行
棘下筋(肩甲骨)トレーニングを終動負荷で行うと、上腕伸筋への過度の緊張と相まって、肘への負担、終動作トレーニングによる肩、肘、双方負担も無視できません。
関節の緩さ等も影響しますが、深部筋を鍛えられた(?)としても、ロス動作の多い投球フォームでは深部筋が損傷するーという事実を把握しなければなりません。

セラバンドを利用した棘下筋(ロテーターカフ筋)のトレーニングを否定しています。
野球関係の方セラバンドを利用したトレーニングはやってはいけないそうです。
気をつけましょう。

 

続いて25項の写真の問題です。

25項の写真です。

写真のNですが、これではマシーン本体が見えません。つまり終動負荷マシーンであることが確認できません。
写真Pですが特に初動作において負荷がかかるように工夫されたマシーンではありません。
この2つの写真の嘘はウエイトトレーニングを本格的にされている方であれば誰でもわかることです

 

28項4行
〔初動負荷トレーニング・マシーンB.M.L-Begininng Movement Load〕によるトレーニング(写真P)の後が、トレーニング前より可動域が増している、少なくともあまり変わりがないという興味深い事実を見ることができます(〔考察〕終動負荷ー硬化の持続とロス動作ー参照)。

28項18行
*・チューブ・トレーニング(写真M)、ダンベルによる初動負荷トレーニング(写真O)では、連続反復回数20回が限界の負荷を、各々2セット実施して比較。
・マシーン・トレーニング(写真N、P)では、連続反復回数20回が限界の負荷を、各々2セット実施手比較。
初動作に力を作る、初動差の負荷に打ち克つようにトレーニング(初動負荷理論)すると強化になり、終動負荷トレーニングでは退行反応、ダメージを与えていることがよくわかります。

36項6行
〔考察〕アイソメトリック(静的筋収縮)に対する疑問
中略
①終動負荷トレーニングになりやすく、末端部の疲労が大きいこと
②リリースやキックのポイント強化に、アイソメトリック・トレーニングを導入するナンセンスさ

アイソメトリックトレーニングというのは筋収縮(動作)を伴わないトレーニングです。
動作そのものがないのに、どうすれば終動作が発生するのでしょうか? 

38項4行
等速性筋出力測定器による筋力測定の問題
筋出力測定には、等速性筋出力(アイソキネテック)方式を用いることが少なくないようですが、一考を要します。

この記述は当時エリエールというトレーニングマシンを使用して森永製菓健康事業部がおこなっていた筋力測定を否定する内容です。
ちなみにエリエールというトレーニングマシンは当時の価格で1千万円でした。

45項27行
終動負荷による(レジスタンス)トレーニング
根幹部の筋群よりも末端の筋肉群が負荷を受けます。さらに懸命にトレーニングすると、この部位の硬化肥大を招きます。
中略
フリー・ウエイト類も、トレーニング形態を誤ると終動負荷となることを把握するべきです。

フリー・ウエイトとはバーベル、ダンベルの総称です。
当然ですがフリー・ウエイトでのトレーニングは動作の最初から最後まで負荷(重量)は変わりません。
つまり、この項で書かれているようなことは一切ありません。

ここまで終動負荷トレーニングを行うと筋肉が硬くなる趣旨の内容を書いています。
この前振りがあることが初動負荷理論を定義するうえでの前提になっています。

46項8行
第3章 初動負荷理論
ーB.M.L(Begininng Movement Load)
中略
トレーニングにおいて、初動作に負荷やスピードを求められなくては身体トレーニングとは言えません。これを初動負荷(B.M.LーBegininng
Movement Load)理論〔「月刊陸上競技」1994年3月号に発表〕と呼びます。
初動負荷によるマシーン・トレーニングを行う、あるいは初動負荷形態のトレーニングを行うことができれば
①心拍数の適正リズムアップ、及び高レベルな上昇、脈圧の増大
②根幹部の筋肉群の発達(末端部の過度の硬化がない)
③柔軟性の増大(P20図5、P87~92参照)

ここまでの内容で動作の最初に強い負荷がかかるトレーニングが初動負荷理論であると説明していることがわかります。
同時に初動負荷トレーニングを行うと筋肉の柔軟性が高まると説明していることがわかります。
これが1994年に初動負荷理論を発表した時の定義です。
反論のある方はメールでお願いします。

以下P20図5、P87~92の写真です。

P20図5             P87                  P88

 

 

P89                P90               P91

P92

上記のグラフが何を意味するのかは正直理解できません。
本を持っている方グラフの意味がわかればメールで連絡下さい。

47項10行
そして正確な動作のプライオメトリックス等も初動負荷形態のトレーニングです。

この記述は現在の初動負荷理論の定義と関係あるので掲載しました。

これ以降は初動負荷理論とは関係のない内容が続くだけです。
この本の著者は出版当時日本のスポーツ界ではウエイトトレーニングの権威でした。
当然、中身もしっかりしたものであるということが前提です。
私以外の方も当然同じだと思います。
しかし化けの皮がはがれた現在、読むとただのトンデモ本です。
初動負荷理論の広告塔をされているアスリート、競技団体は本当に馬鹿だと思います。

この本には大きな問題があるので最後に書かせていただきます。
終動負荷理論、初動負荷理論を発表しているにも関わらず何故、終動負荷理論に基づいた動作の終動負荷トレーニング(動作の最後に強い負荷がかかるウエイトトレーニング)をすると筋肉が硬くなり、動作が悪くなり、怪我に繋がりやすくなるのか。
同じく初動負荷理論に基づいた初動負トレーニング(動作の最初に強い負荷がかかるウエイトトレーニング)をすると筋肉が柔らかくなり、動作が良くなり、怪我の予防に繋がるのか、これを説明する記述が一切ないことです。
これは「新訂版 新トレーニング革命」読めば分かります。

2016年5月4日開設
2017年11月24日更新