現在プロ野球を見ていて非常に気になることが読売ジャイアンツの試合での入場者の明らかな減少です。
現在20代、30代前半の方には理解できないと思いますが今から20年前の1990年代は巨人(1990年代当時の読売ジャイアンツの一般的名称)の試合はすべてチケットが完売していました。
同時に巨人戦のチケットはプラチナチケットになっていました。
巨人戦のチケットを手に入れるには1番確実な方法は首都圏では読売新聞を購読することでした。

首都圏では

巨人戦のチケットをプレゼントします!

これをセールストークに読売新聞は部数を伸ばしてきた歴史があります。

さらに巨人戦のチケットを確実に手に入れるにはダフ屋から購入すると言うのが常識でした。
現在の状況からは信じられないかもしれませんがストライキのあった2000年代半ばまでは巨人の試合はホーム、ビジターどちらでもダフ屋の方々が生き生きと仕事をされていました。
さらにダフ屋が人を雇って巨人戦の前売りチケットの販売の列に並ばせていたのも事実です。
それだけ巨人戦のチケットと言うのはプラチナチケットでした。

ところが現在ではどうでしょう?
読売ジャイアンツ戦でも簡単にチケットが手に入ります。
と言うよりも読売ジャイアンツの試合のチケットが売り切れません。
始まった当初は

どうすれば手に入るのか?

話題になったエキサイトシートも空席が目立ちます。
これが現実です。

 

 

テレビ放送に目を向けてみましょう1990年代、2000年代半ばまでは読売ジャイアンツの試合はすべて地上波で全国放送されていました。
ところが現在はどうでしょう?
地上波での放送は全くと言っていいほどありません。
テレビの地上波で全国放送がされていた時代、読売ジャイアンツの試合は1試合あたり1億円の放送権料が発生していました。
ところが現在は放送自体がないので放映権料自体が一切発生していないと考えられます。

交流戦が始まる前は年間130試合制でした、ですから半分の65試合が読売ジャイアンツの主催ゲームとして開催されていました。
つまり読売ジャイアンツは何もしなくても65億円の収入があったと言うことです。さらに読売ジャイアンツ以外のセ・リーグのチームは13試合読売ジャイアンツ戦が開催されていたので、これも何もしなくても13億円の収入があったと言うことです。
逆に言えば読売ジャイアンツは2000年代前半から比べると年間65億円の減収になっていると言うことです。
当然、読売ジャイアンツ以外のセ・リーグのチームも13億円の減収になっていると言うことになります。

収入の減少はチケットにも反映されています。
読売ジャイアンツの試合がすべて地上波で全国放送されていた当時は読売ジャイアンツのチケットは全て完売していました。
さらに読売ジャイアンツ以外のセ・リーグのチームは読売ジャイアンツの試合に関しては通常よりも価格を高めに設定していました、これが全て完売していたのです。
チケット1枚を4,000円と想定して座席数の少ない神宮、横浜、広島の収容人数が3万人収容の球場では1試合1億2千万円の収入がありました。
名古屋は3万7000人収容ですから約1億4千800万円、甲子園は4万5000人ですから1億8戦万円がチケット収入としてありました。
ところが現在はどうでしょう?
横浜、広島はチームが強くなった関係で対戦相手に関係なく完売しているケースが多いです。
ですから、この2チームはチケット収入は減少していないと考えられます。
阪神も完売とはいかなくても、かなり席が埋まっているので、これもチケット収入は問題になるほど減少していないと考えられます。

問題はヤクルト、読売です。

この両チームは確実にチケット収入が減少しています。
チケット収入に加えて上記している放送権料が入ってきません。

ただ、1990年代と環境が変わっているのがスカパー、ケーブルテレビの専門チャンネルでの試合の放送です。


当時と違いこの放映権料の価格が上がっていることが考えられます。
これに現在はインターネット放送が加わります。


しかし、この2つも地上波放送権料と比較した場合相当に低い金額であると考えられるので現実的に考えた場合、読売の65億、他チームの13億、これがそのままチームの収入から消えていると考えるべきです。
これは2015年シーズンから交流戦が24試合から18試合に規模が縮小されたことでも証明できると考えます。
2005年から始まった交流戦は表向きはファンのニーズに応えるためですが実際はパ・リーグのチームに読売ジャイアンツ戦の主催試合をさせることが目的です。
ところがパ・リーグのチームも読売ジャイアンツ戦の主催試合を開催する必要が無くなったため規模が縮小されたのです。

ストライキがあった2004年と比較するとプロ野球全体での入場者数は増加しています。
しかし、読売、阪神、広島以外の9チームは赤字です。
理由は選手の年俸の高騰です。
これはファイターズがダルビッシュ有、大谷翔平をMLBへポスティングで移籍させた事実を見れば明らかです。

ホークスに関してはどうなるのだ?

この意見が出てくると思います。

これに関してはオーナーのソフトバンクのビジネスが右肩上がりなので他チームでは考えられない金額の赤字の補てんをしてくれているだけです。
ソフトバンクのビジネスが鈍化した場合、現在の状況から大きく変わることは容易に想像ができます。
残念ですがこれがプロ野球の現実です。

話が読売ジャイアンツから離れてしまいました。
読売ジャイアンツの収入が減少していることは誰にでも理解できると考えます。
このことがプロ野球に及ぼす影響について考えてみたいと思います。
一番の問題はFAを取得した高年俸の一流選手の移籍先が無くなったと言うことです。
これは近年のFA移籍を見れば理解できます。

2017年オフのFAでの移籍を見てみましょう。

タイガース・前田大和
国内FA権を行使→ベイスターズ移籍

マリーンズ・涌井秀章
海外FA権を行使→MLBチームへの移籍を希望するも獲得チームが現れずマリーンズ残留

ホークス・鶴岡慎也
海外FA権を行使→ファイターズ移籍

バファローズ・平野佳寿
海外FA権を行使→ MLBダイヤモンドバックス移籍

ファイターズ・大野
海外FA権を行使→ドラゴンズ移籍

ファイターズ・増井浩俊
国内FA権を行使→バファローズ移籍

ライオンズ・野上亮磨
国内FA権を行使→ジャイアンツ移籍

ライオンズ・牧田和久
海外FA権を行使せずポスティングによりMLBパドレス移籍
(これはFAでの移籍ではありません)

2017年オフにFAで読売に移籍したのは野上亮磨だけです。
年俸は3年総額4億5,000万円ですので騒がれるような高年俸ではありません。
私が注目しているのはマリーンズの涌井秀章です。
MLBチームへの移籍は実現しませんでしたが以前であればマリーンズ残留ではなく読売移籍が当然のレベルの選手です。


ところが読売移籍の話は一切ありませんでした。これに加えて読売は村田修一を自由契約にしています。
これにファイターズの中田翔が加わります。
昨シーズンの中田翔は成績が良くなかったのも事実ですが実績を考えた場合FAで読売に移籍するのが以前であれば当然の選手であると考えます。
これは読売ジャイアンツに以前のような潤沢な資金が亡くなったことを意味している考えています。

当然ですがこれは読売ジャイアンツの売り上げが減少したことによって起こっている現象であると考えます。つまりこれは一流の選手がFA権を取得行使しても以前のような高額年俸で他チーム、特に読売へ移籍することができなくなったと言うことです。
同時にこれは一流選手のFA権取得、これに以前のようなメリットがなくなったと言うことになります。
読売ジャイアンツの売り上げの減少はプロ野球選手全体に関わる問題であると言うことです。